206GTをバラそう。 その6:ポルシェシンクロ

2019.05.08 アリアファクトリーブログ

皆様こんにちは。工場のハムでございます。

今回もミッション分解の続きですが、シンクロに話題を絞って紹介してみたいと思います。

常時噛合い式ミッションの場合、セレクトされていない各ギアは、その減速比に応じてまちまちの回転数で回っていますので、変速する際にはまず入れたいギアの回転と、ギアを固定するスリーブを同回転に調整する必要がありまして、その機構がシンクロとなります。名前通りの役割を担っている部品ですね。

現在のマニュアルミッションでは、ギアに設けられたテーパー面にリングを押し付けて回転を同期させる方法が一般的ですが、Dinoまでの旧い年式ではポルシェタイプのシンクロになります。

その、ポルシェシンクロという名称を聞いた方は多いかと思いますが、では実際どのような構造になっているかを解説していきたいと思います。

簡単に説明すると、カマボコ型断面のシンクロをスリーブが通過する際、スリーブ内側との摩擦抵抗により回転を同期させる仕組みです。その摩擦力を高めるために、シンクロ表面にはザラザラのコーティングが施してあります。

 

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取り外した2速ギア。シンクロ表面のコーティングは所々剥がれ、かなり磨耗しています。温まると2速ギアが入らなくなるという症状の原因はこれですね。しかし50年間使ってこの程度の消耗とは驚きです。後の機会に紹介しますが、ギアの方は全くダメージを受けていません。

 

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新品のシンクロ(上)と重ねて比較してみると、磨耗以外の理由、リングの張りが弱くなったことで外径が少し小さくなってます。試しに新品をセットしてみると、かなり押し縮めながら取り付ける感じ。表面のコーティングの他にも、リングの張りは維持されているかも重要です。

 

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これがシンクロのスリーブ。シンクロリングと当たる部分が削れて光っています。想像よりも磨耗してなかったのですが、これも消耗品。まだ部品入手可能なので新品を手配して交換します。

 

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拡大写真。中央の窪みにカマボコ型のリングが収まることでギア抜けを防ぐ構造。

 

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内側にも遊びが大きいリングがもう1つ入ってます。これが遊ぶことでギアやシンクロに掛かる負担を軽減している。同じ方向に繰り返し力を掛けられ続けたせいか、変形が進んでいるのと、ギアへ嵌め込む爪の部分が磨耗していたので、これも交換します。

LSDの方は中のプレートだけ交換できそうなので、それが入手できたらデフオーバーホールの方も紹介してみます。

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